103. ブルーノート東京でケニー・ギャレットを見る (1999.6.3)

ブルーノート東京にケニー・ギャレットが来るというので、インターネットから予約を入れた。
ブルーノートは、昨年12月に引っ越し、表参道駅から歩くと、さらに奥まったところに移動していた。

骨董通りという、その通りには、店が増えている。
今まで、一番はずれだな、と思っていたところは、はずれではなくなり、もっと奥まで店がある。
アパレル業界の景気は回復したのだろうか?
どういうこっちゃろ?
やっぱり、店を構える時には、骨董通りにしよう〜と、わけのわからぬ決意をする。

ブルーノートは、久しぶりだ。
以前は、きくやさんが予約を入れてくれ、私は便乗組だったが、なかなかスケジュールが合わなくなり、そのうち、誘われなくなってしまった。
仕方なく、一人で行く。

7時から始まるというのに、到着したのは、6:50過ぎ。
う〜〜む、これではいい席は無理だな、と観念していたら、一人ということで、中央の前から2つ目の席を確保してもらった。

そっか、一人で行くと、こういうメリットがあるのね。
半端な席に押し込めてくれる。

さて、ブルーノートのロビーには、Appleの液晶ディスプレーが鎮座している。なかなかおしゃれで良い。
ここは、昔っからMacだ。机の上に、Apple液晶ディスプレーだけを置いて、さりげなく自分のところのホームページを見せるのは、にくい。

演奏までの数分間をもてあましていると、隣の若者がなにやら五線紙を出した。
「何を書くの?」と聞くと、
「いいフレーズがあったら、書き留める」んだって。
「へぇ〜!」
彼は、ドラムをやるそうで、「スネアドラムは7インチで深いな」とか「シンバルは22インチだな」なんてことまで書き留めている。勉強熱心だ。

演奏は、のっけからノリノリで始まった。
初めっからとばすなぁ〜。
メンバーは、ケニー・ギャレット(Sax)、シェドリック・ミッチェル(P)、ナット・リーブス(Bass)、クリス・デイブ(Dr)の4人。
Pianoは、やっぱりうまい。Drは、ちょっと若い感じ。それをWoodBassがきっちりと押さえる。Saxは言うまでもなく、すばらしい音色を聴かす。

ケニー・ギャレットは、日本語で挨拶をする。結構、きちんと話す。
冗談も日本語で言う。前席にいる特権で、サラリと言った英語(!)を聞き逃さずに受けまくっていると、私を指さして、「イエェイ! Thank you!」だって。嬉しい(ミーハー)。

アンコール曲でのアドリブのやりとりが良い。
ケニーのSaxから、それぞれの楽器にまわす。4小節のアドリブが入る。
このタイミング、間の取り方が絶妙だ。ひとしきりアドリブを回すと、なんと客席1番前のバンドマンらしき客人にアドリブをまわす。
彼は、うまい具合に声をはりあげ、会場から大喝采!
次に、彼の隣にアドリブがまわる。これもまた拍手喝采。それは、私のななめ前列。
ひょっとして、次にアドリブがくる???
ドキドキしてきた。ちょっとメロディを頭の中で流してみた。「ラララ〜♪」

しかし、残念というか、ホッとしたというか、その後ろ(私の隣)に回された。
彼女は、残念ながら、沈黙。その後の女性も、何も言えず。

う〜む、突然、アドリブがまわってきたら、うまく出来るだろうか、楽器も持っていないのに。
という心配はよそに、演奏は、終了へと向かった。

帰り道の私は、黒人調の裏ノリ・リズムで歩いていたのは、言うまでもない。