108. 本格派・気仙沼弁---23 (1999.6.26)

若い人が「むかつく〜」を言い始めた頃、「すごい言葉が流行るなぁ」と関心していた。
「私にはちょっと...」と抵抗したのもつかの間、結局、使っている。
「腹が立っているんだぁ!!!」と的確に伝えられる(と思っている)。

さて、気仙沼では、「むかつく」ことを「ごせやく」と言う。
強調する場合「超〜・むかつく」に相当するのは、「ごせっぱらやける」とくる。

「あんだだら、そんなごどばりやって、ごせっぱらやげるごと(怒)!!!」と言われたら、つべこべ言わずに謝るのが身のためですな。

「ごせやく」を調べると、「後世を焼く」で「後世がどうなるか心配だ」という意味。
昔の人は、功徳(くどく)を積めば後世、安楽に暮らせると信じていた。逆に現世で悪いことをすると、後世に悪い結果になることから「後世」を心配したわけだ。

さて、若者言葉は、どんどん変わるから、外国語を聞くようで楽しい。
気仙沼でも「かなり」というのは、東京の若い子と同様に、平坦に話しているのを聞いた。
(「か」よりも「なり」のキーが上がる。)

この「かなり」を、若い子をまねて、早い時期に導入してみた。
すると、仕事先のpochiさんったら、「オヤマさん、なまってますよ」と指摘する。
「若い子の言い方よ」と言うが、「変! 変! 絶対になまってる」と言う。
たしかに、イントネーションが東北している。
しかし今では、だんぜん、若者の指示を得ているんだから、時代は変わった。

そっか! 気仙沼弁を流行らす絶好の時期にきているかもしれない。
ひょっとして、21世紀は、東北弁の時代かぁ〜〜〜〜!
「むかつく〜」のかわりに、「ごせやく〜」が一般的になる日も遠くないかもしれない。

つづく...