121. 3級は軽くない (1999.8.21)

父は昨年、脳梗塞で倒れてから左足に不自由が残った。
というか、左右のバランス感覚がなくなったようで、ふとした時にグラグラとよろける。
といっても、日常生活には不自由なく、歩く時に杖を持つことにはなったが、ま、日がな一日、何もしていないのだから、特に困るでもなく過ごしている。

そんな折、 「ひょっとしたら身体障害者の対象になるかもしれませんよ」とアドバイスを受け、申請書を出すことになった。
手続きには、数種の書類を用意する。
医者の診断書、住民票、写真も撮らないといけない。
決意から一ヶ月以上たってやっと申請を出す。
その結果が盆前に届き、「3級の身体障害者」として認定された。

両親は、「3級」の文字を見て、
「一番・軽いやつだ」「ま、せっかく書類を用意したんだし、認定されてヨカッタ」と話していた。

お盆に訪ねてくれた人にその話をしたり、得意げに「身障者手帳」を見せたりしていると、
「だなはん、身障者は10級からあるんですよ」と言われた。
つまり3級は、「結構・重い」
両親は、目・テン
そして、しばし放心状態..................

何級まであるか確かめもせずに、一番軽いと思いこむあたりが、うちの両親らしいところではあるが、自分や身内が身障者として結構、重い認定を受けることを想像していなかった、ことを考えさせられたのは事実だ。
それから父は、ことあるごとに「お父さんを大事にしょう!」と呼びかけている。