142. やっぱり看護婦さんは天使 (1999.10.10)

手術には、いろいろな準備がある。
血液検査や、心電図などの一連の検査で、結構、忙しい。
看護婦さんの動きはテキパキとしている。
お恥ずかしい部分の毛をそられたりと、通常では考えられない姿もさらす。
ま、私と看護婦さんとは女同士だけど、男性は、恥ずかしさも増すだろね。

手術が始まる少し前に、尿のための管をつけられてしまった。
祖母が入院中に、管を使っていた。
「こうなってしまったら、世も末だなぁ」と思っていた。
ばあさんは80歳を越えて、歩くことがままならなかったら、仕方がない。
まさか、私がこの年齢で、管の厄介になるとは思わなかった。トホホ。

手術は15分程度という予定を大幅に越えた。
開いてみると、予想以上に病状は進んでいる。
下半身麻酔だから、意識はあるし、先生の会話も聞こえる。

手術の間じゅう、看護婦さんが声をかけてくれる。
意識はあるか、気分が悪くないか、血圧はどうかと、常にみていてくれる。
私の身体は、冷たくなっているらしく、肩にタオルをかけてくれる。
時折、手を握って「がんばって下さい」とエールを送られる。
その手がとても暖かい。

こんな時、身内ならば、甘えてしまうかもしれないが、優しい看護婦さんの前では、「がんばろう」という気になるから不思議だ。
それでも、もうダメと思ったあたりに、「さ、もう終わりますよ」と先生の声。

「嚢腫が、このくらいの大きさになっていました」と両手で、ソフトボールよりも大きいボールを作る。
そういえば、数年前から下腹が出てきて、「太ったなぁ」と思っていた。
下腹だけがポコンと出て、子供か何かが入っているようで、妙だった。
「ハ・ハ〜ン、あれは病気だったのかぁ」

看護婦さんのほとんどは、私よりも年下だろう。
だけど、すっかり頼り切って、ふとんをかけてもらったり、水を飲ませてもらったりする。
やっぱり、男だったら、看護婦さんにほれちゃうな。