143. ちゃくちゃくと回復中 (1999.10.12)

人間の回復力はすごい、と改めて感じる。
手術して、まる一日は、ゲッソリしていたのに、その後は、食欲もバッチリ。

大叔父が、心臓のバイパス手術を受けるため、千葉県松戸の病院に入院した時は、何度も見舞いに行った。
手術前は、心臓発作が起きたりして、口には出さぬが、もうダメかと思ってしまった。
しかし、手術後の回復力は目を見張り、あれよあれよという間に退院し、元気に、気仙沼へ帰って行った。

さて、私の手術は、腹を4〜5cmばかり切った。
手術前に「縦か横か」と聞かれる。続けて、「もう、ビキニは着ませんよね?」と言うので、
間髪を容れずに「はい」と答え、縦に切ることが決定した。
「やっぱり、横って言えばよかったかなぁ」と思いながら、手術を受けていたわけだ(ビキニを着る勇気もないのにね)。

先生が「悪化した部分をこんなに除去した」と大きなボールを作ってみせるので、さぞや、腹がひっこむだろうと期待した。
しかし、「れれれ?」、予想とは違い、あまり腹はひっこまない。なんだったんだろ?

さて、退院してから「Kレディスクリニック」をインターネットで検索してみる。
なぜなら、患者のほとんどが、いわゆる「口コミ」で来ている。
つまり、評判がいい。

ここの100%が、不妊治療の患者さんだ。
それを100%でなくしてしまったのが、この私です。申し訳ないような、すまないような。
本当かどうか知らないが、作家の林真理子さんが、この病院に通い、子宝に恵まれた記事をインターネットで見つけた。
なるほど。評判が高いのもうなずける。

病院は、いつも混んでいる。
これほど多くの人達が子宝に恵まれずに治療を受けていることを知り、驚いている。

祖父の妹は、「3年、子なきは帰れ」世代で、嫁に行っても、子供が産まれるまでは、その家の籍に入れてもらえなかったらしい。それでも、ご主人に大事にされ、追い返されることはなかったが、結局、若くして亡くなってしまった。
今の治療があったなら、もっと幸せな人生を送ったかもしれないね。
でも、本来は、子供がいても、いなくても、自分に与えられた人生の中で、精一杯生きていけばいいと思っているが、そんな考えは甘いのだろうか?