148. 芋煮会の季節 (1999.10.20)

前話を読んだスタッフ君から、「芋煮会ってなんすか?」と質問を受けた。
「え、芋煮会を知らないの? 東京ではやらないの?」
「やりませんよ。芋を煮るってことスか?」
ま、そう言ってしまえば、そうなのだが。

「アウトドアでバーベキュー」が流行るずっと前から、気仙沼のアウトドアは、「芋煮会」だ。
海辺で、大きな鍋に芋・豚肉・ネギ・人参・など、あらゆるものをガバッと入れて、味噌仕立てでグツグツ煮る。いわゆる豚汁のようなものを作り、食べる。これを称して「芋煮会」という。

人数が多いと、いくつもの鍋が並び、どのチームが一番うまいかを競う。
「おらいの方がうまいもんね」ってね。

子供は、役割分担を決められる。
材料を切る人、木々を拾う人、水を汲む人。
当時は、アウトドアグッズが充実していないから、燃やすための木々を集め、大人は、鍋を乗せるための土台を作る。慣れてるお父さんんは、飯ごうで飯を炊く。手つきもよい。

芋は、里芋が正統派だが、じゃがいも・さつまいもを入れてもよい。
秋の新じゃがなんかもうまいだろうね。
なんのかんのと理由をつけては、地域の子供会などで「芋煮会」が開催される。

大谷海岸や高田松原でやる「芋煮会」は、楽しかったなぁ〜。
煮込んでいる間は、砂場で遊ぶ。
ドッジボールや、缶けり、ただの鬼ごっこも楽しい。
その間、大人はビールを飲んで、そっちはそっちで楽しい。

火を見張る担当は、責任重大だ。
火が消えてはいけないし、火事になってもいけない。
これをまかせられるのは、やっぱり上級生のしっかり者。

さ、具が煮えたら、アツアツの芋汁を食べる。うまい。
あんまり、うまいから、今夜の夕食は、「芋煮会」にして、とねだった事がある。
しかし、家の中で食べるそれは、予想したほどうまいわけでもなく、ごくありふれた豚汁で、
「こんなの芋煮会じゃない〜〜〜(泣)」と言って、ごねてしまった。
やっぱり、外で大勢で作ってたべる「芋煮会」だから、何倍もうまいのだ。

インターネットで「芋煮会」を検索する。
すると、「芋煮会」が行われるのは、東北全土と群馬県の北部までのようだ。
宮城県は「豚肉で味噌仕立て」が主流だが、山形県では「牛肉で醤油仕立て」にするそうで、地域によって材料が異なる。

近頃は、キャンプ場が完備され、直火禁止のところが多い。
キャンプ場経営としては、安全に遊んでほしいところだろう。火災など出したら、大変だからね。
どのホームページの「芋煮会」を見ても、皆、楽しそうだ。
料理のバリエーションも、増えている。

アウトドアでバーベキューに飽きた皆様、「芋煮会」をやってみてはどうですか?

ほんでね。