167. 寮の暮らし---2 (2000.2.16)

寮は、いろいろな規則があり、それを窮屈に感じる事も多いが、それにも増して楽しい事も多い。
当時は、貧乏学生がたくさんいたから、部屋にコンセントがないくらいは、そう不幸でもなかった。
「不便ねぇ〜」と言われたが、私達は「裁縫室」で互いの髪をかわかしながら、美容師になったつもりでセットしてあげる。

部屋では、お金を出し合って電池を買い、1つのラジカセで音楽を聴いた。
よく聴いたのは、「荒井由美」「オフ・コース」「サザンオールスターズ」だ。

そういえば、またサザンの曲がヒットして1位になっている。
20年前を思い出す。その年、「いとしのエリー」が大ヒットした。

私の一番の仲良しは「エリちゃん」だ。
私の名前は「リエコ」で、もう一人は「エリコ」。

私達は、一緒に学校に行き、夜はエリちゃんの部屋か、私の部屋で遅くまで話した。
大好きな男の子のこと、コンパの段取り、着ていく洋服の試着、化粧の仕方、すべてが楽しい。

それがある時から、私だけが取り残されてしまった。
就職..........
私は家の方針で就職しないことになっていた。
うちの短大は、当時、就職率100%を自慢し、有名企業にかなりの人数を送り込んでいる。
学校推薦もあり、成績が良いと(コネがなくても)良い就職が出来た。
そのための説明会が、かなり早くから開始される。

私は、そのどれにも参加しなかった。
なにしろ、「就職はしない」から。

そして2年になると、さらに置いていかれた。
皆、「一般常識」なる参考書と問題集を買い込み、勉強を始める。
「リーちゃん就職しないなんて、いいわね〜」と言われるが、
「はたして本当にそうだろうか?」という疑問が湧いてきた。
このまま、呑気に見合いでもして、嫁にいって、そんな人生でいいんだろうか?

で、悩んだ末の姿が、今日の私なんだけどさ(^-^)