172. 8年ぶりに会う級友 (2000.8.20)

「物故者慰霊法要」略して物故祭(ぶっこさい)
中学の同級生が集まって、同窓生で亡くなった方を弔う。

気仙沼では、女の厄年/男の厄年/還暦の計3回、その前年の夏に物故祭が行われる。
お寺で物故祭を行った後は同窓会だ。

8年ぶりに会う級友。
私は変わっただろうか? 皆は元気にしているだろうか?

この8年の間に会社を設立したが、日本経済は最悪な状況が続いている。
父は病気をし、祖母は亡くなってしまった。
初めて骨折をしたり、病気もした。
おもいがけない事の連続で、変わらぬはずもない。
その一つ一つが、深い皺となって、顔にきざまれる。

級友と連絡もとらずに一人、観音寺に向かう。
私の顔を見ても気づく人は少なかろう。私はたいして目立つ方ではなかったし、高校卒業と同時に東京に出た。近頃は、親しかった友と疎遠にしている。

クーラーのよく効いた車を降りると、外は暑い。
私は、黒の喪服を着て、同窓会用の着替えをバッグ詰めて持っている。
おそるおそるお寺の境内に歩を進めると、前方から来る人に
「リーちゃ〜ん?」と声をかけられた。
「あ・由美ちゃん」

もう、それだけで顔がグシャグシャになる。嬉しい。
「私って変わってない?」
「ぜ〜んぜん」
「由美ちゃんも全然変わってない」

一気に不安はどこかにふっとび、あとは深夜まで、楽しい時間はあっという間に過ぎていく。