183. 漏水被害・事後処理 (2000.9.4)

「水漏れがあって、大変だったのぉ〜」と言ったとする。
さて、あなたは、どの程度の事だと想像するだろう?

おそらくは、「ポタ........................ポタ........................」というイメージだろう。
私もそうだった。

私の部屋に視察に訪れた人、全員が口をそろえて
「予想よりひどい状況」と言う。そして絶句する。

やっぱり、「水漏れ」の「漏れる」という文字が、「わずかに」という印象を与える。
降水量で換算すれば明確になるだろうか。
いや、やっぱり、わからんな(笑)
私も計算できない(笑)

とりあえず管理人には「ザーザー」と言ったが、「ザーザー」降ったのは23時までで、その後は「シトシト」と降り続けた(この言い方の方がイメージは伝わるね)。

さて、本日は、水が止まったから、トットと片づけたい、が、片づけていいのかどうか。

刑事ドラマでは、証拠物件のまわりには綱が張られ、刑事は手に白い手袋をはめ、
「あ、そこ、触らないで」とキッチリ言われ、バシャバシャと証拠写真を撮り、メモをする。
事情徴収も受ける。
「ヨシ」と言われるまで、現場の状況を変えてはいけない。

ということで、管理人に確認に行く。
8時半には、例の管理人(通い)が来るから、時計が8時半をまわるのを見届けると、すぐに向かう。

呑気な管理人に今後のスケジュールを尋ねるが、結局、よくわからない、ことがわかった。
保険については、11階の大家さんの方で手配をするらしいが、よくわからない。
で、その保険の人に証拠写真を渡すのはどうするのか? 現状を変えてしまっていいのかどうか?
「私が昨日カメラで撮ってまるから、ま、いいんじゃないか」ということだが、どうも信用ならない。

「それでは、うちの大家さんには連絡してあるか?」と聞くと
「してない」って。そんなもんなのかなぁ? 結構な被害だと思うけど。
「不動産を通して借りてるから面識がないし、突然の電話で驚かれるだろうから、管理人から、まずは一報を入れて欲しい。その後で、私から電話する」と伝える。
「そうしますか」と受話器をまわす。

「あ〜、もしもし、アルテールの管理人です」
一通りの報告が済んだので、さっそく部屋に戻り、教えられた電話番号をまわす。

ここの大家さんは弁護士さんだが、その奥さんが出る。
また、一通り「かくかくしかじか、こーで・あーで」
「わかりました。わたくし、これからそちらに向かいますわ」ってな事になった。

やっぱり現状はこのままにした方がいいな。
だって、ここを出る時になって、あっちこっちのシミを更新料からさっ引かれては、かなわない。
長年に渡る賃貸暮らしのうちに、傷つけぬように、壊さぬように暮らすことがしみついている。

ついでに部屋じゅうを点検すると、ガーン。
作りつけの食器棚のうち、一つの扉が開いたまま閉じない。
強引に閉めようとするがダメ。曲がってしまったらしい。

それから、リビングのドア(引き戸)が開かない。ガーン。
どこかが曲がっているんだろう。
「今回やられました」って事が、わかってもらえるかどうか。。。

電話が鳴る。
大家の奥さんが、「いつも内装を頼んでる方と一緒に行きます」って。
手際が良くて、関心する。

約束の11時きっちりに、大家さんが手配した工務店さんが到着する。
先に上がってもらって、中を見てもらうと、
「こりゃ、ひで〜や ここまでひどいとは思わなかった」
やっぱりプロが見ると、どの程度の水で、どうなるかが一目瞭然らしい。
皆まで語らなくても、逆に「こ〜だったでしょ? あ〜だったでしょ」と聞かれる。
いちいちあっているから、嬉しくなる。

あの悪戦苦闘の24時間を察してくれる人がいるんだ。
すぐに、大家の奥さんも到着。
中を見て絶句する。

「想像以上にひどいわ」
私が語らなくても工務店さんが「ここまでの被害ならば、こうだったろう」と説明してくれる。

「しかし、かなりの水が出ないと、こーはならないよ」
「いやぁ、この水の中にいたんじゃ、大変だったでしょ」
「精神的にも、かなりの苦痛だったと思うよ」
同調してもらえると、泣きそうになる。

工務店さんは、リコーのデジカメを持ってて、バシバシ撮っている。
「わたくしもカメラを持ってきてますのよ」と大家の奥さんも取り出す。
撮影タ〜イム。

その時にチャイムが鳴り、11階の大家さんが娘婿さんを連れて立っている。
すっかり弱りきった11階の大家さん。

聞くと、7階まで漏水は及んだそうな。
それらが、すべて11階の責任になるらしい。
工事費用はかなりの額になるだろう。

話は金銭的な事に及んでいく。
うちの内装分は、こちらの工務店さんが見積を作成することになった。
この状態ではクロスの張り替えだけでは済まないらしい。
「石こうボードからやらないと」とかなんとか言っている。中まで水が浸みてるから、表面だけ直してもダメらしい。
あとは支払いがどうなるのか、家主同士での話し合われるようだ。

工務店さんは、同じような事例を見ているらしく、後々からトラブルが出ないようにと、よーく点検することと言ってくれる。
片隅に放置した、まだ濡れてる段ボール箱3つは、箱を開ける気力もない。
コンポや炊飯器もビシャビシャに濡れたが、電気を入れてチェックする気力もなくなっている。
しかし、そんなことを言っててはいけないそうな。
さて、力を振り絞って、点検するか。

皆さんからご心配いただいてパソコンは、幸いにも無事、救助されたことを付け加えて、雑巾を絞ると手が痛いオヤマでした。

つづく...