203. 気仙沼の人と付き合ってる方へエールを送る (2001.4.28)

気仙沼には大学がないから、高校を卒業すると、とりあえず都会に出る若者は多い。
親の経済事情が許せば、すねをかじって都会で優雅に暮らしてみたい。
「進学」の2文字は、周囲を説得するための最も良い口実である。
私もその1人だし、弟2人もそうだ。

で、晴れて東京暮らしが出来たとしよう。
田舎モンにとって東京は、自分を華やかに演出することが出来る空間だと錯覚する。
流行りの服で身を固め、人気スポットをチェックし、せいいっぱい背伸びした中で恋人と付き合うことにも成功する。
それからしばらくして、いざ結婚しようと心が動いた時に問題が発生する。

「そういえば自分は田舎モンだった」(ガーン)
東京にいる自分は仮の姿で、親や親戚に「田舎モン丸出し」が少なくとも80%以上はいる。

東京では通じない習慣と感性にどっぷり使った親戚一同に恋人を会わせないといけない。
というか、本来の自分も、それと同類なんだ。

さて、どうしよう。
今までの自分は幻想なんだと気づいた時に、恋人はショックを受けるに違いない。
特に、恋人が東京出身者だったりすると、なお、心が痛む。
東京以外の風習に慣れてないだろう。
本来の自分をさらけ出し、田舎モンの親・親戚に恋人を会わせる勇気が自分にはあるだろうか?

そこで、(結婚してない私が言うのはおこがましいが)アドバイスしたい。
まずは恋人に、気仙沼の人は外国人だと思ってもらおう(笑)
最初っから外国人と結婚すると思っていれば、少しくらいの習慣の違い、言葉の違いなど承知するはずだ。

言葉の問題を克服するためには、気仙沼で話される言葉を日本語と思ってはいけない(笑)
気仙沼語という別の国の言葉として、一から勉強するつもりでいて欲しい。
そうすれば「何を言ってるか意味不明」と嘆く暇はなくなり、「早く気仙沼語を覚えよう」と心構えが出来る。バイリンガルを目指す気持ちでいて欲しい。

ただし、最初はなるべく伴侶に通訳をしてもらおう。
ちょっとした言葉の行き違いで、互いに傷つくことは避けたい。
日本語と気仙沼語が似ているために、微妙な表現はむしろ難しいんだ。まずは正確に通訳してもらうこと。
また習慣やものの考え方などを、同じく気仙沼以外の出身者の方から教えてもらうとよい。

そして、最も大事なことは、自分の付き合った(気仙沼の)恋人が、実は外国人なんだときちんと理解することが必要だ。
それが出来れば、きっと楽しい結婚生活を送ることが出来るだろう。

ちなみに、東京で出会った田舎モン同士の場合は、この問題が最小限で済むはず。
なぜなら、お互いに仮想都会人ということに薄々気づいているからね。

ま、田舎モンは、どう逆立ちしたって田舎モンということなんだな。
私は、田舎モンが悪いとは思っていないし、都会モンよりも下とも思っていない。
ただ、「違う文化で生きている」という認識はある。

だが恋愛は国境を越える!
がんばれM子さん!