208. 蛇口をひねれば水が出るように (2001.6.8)

祖母の命日。三回忌。
この日、ボニートのネットワークは、1.6Mbpsになった。やった! 速い!

思い出すのは、14.4kbps(イッチョンチョン)のモデムを買った時のこと。
それまで使っていた9600bps(クンロク)は、誰かに譲って、朝から晩までニフティ三昧。
電話料金の請求書を見ては、「ゲゲゲ!」と青くなり、自粛しては暴発の繰り返し。

その後のインターネットの急速な展開とともに
   22.8kbps → 33.6kbpsモデム → ISDN(64kbps)へと移行した。

「速い・速い」と小躍りしたのもつかの間、事務所に128kbps(OCNエコノミー)常時接続を導入してからは、昼・夜おかまいなしに事務所にこもってしまった。
だって、いくら使っても電話代は変わらないんだモーン(←まだテレホーダイ・サービスが始まる前の話)。

あまりに不健康な生活のため3度も入院した後、自宅がADSL(512kbpsで契約し、その後、自動的に1.6Mbps)になる。
こうなると、なんでもインターネット利用。
ニュースも、TV番組案内も、時刻表もすべてインターネットで探す。

1.6Mbpsの速さに慣れきってしまうと、事務所の128kbpsが許せ〜〜〜ん!
ということで、本日、無事に1.6Mbps(SDSL)へ移行した。

おそらく、この喜びもつかの間で、アッという間に次のサービスを利用しているんだろう。
賞味期限がどのくらいかわからないが、なにしろ、非常に嬉しい。

そこで祖母の思い出をひとつ。
祖母は、気仙沼の郊外にある「鶴が浦(つるがうら)」から市内地にお嫁に来た。
山を越えるのが大変だったから舟でお嫁入りしたそうな。
昭和初期の話。

里帰りした祖母に実家の人が聞いたそうな。
「とよみちゃん(祖母の名)、マルキ(オヤマ家の屋号)には、いい井戸があるのスか?」

祖母の実家には、いい井戸があって、美味しい水がふんだんに飲めたらしい。
ただし、その井戸は、急な坂を上ったところにあるから、水汲みに行くためには、坂道を上って、そして下る。

水汲みは、子供の頃からの仕事。重いおけをかついで毎日・毎日、何度も何度も坂道を上って降りたそうな。
井戸が悪いと水が出なくて大変だったらしい。
今日では、「水がない」という状況は、想像することも難しい。
幸い祖母の家の井戸は「いい井戸」だったので、一年じゅう、おいしい水が飲める。それが祖母達の自慢だったんだね。で、実家の皆さんは、嫁いだ先の水事情を心配したわけだ。

祖母は目を輝かせて言ったそうな。

「マルキには水道っツものがあってっサ、蛇口っツーものをギュっとひねっと、水がジャーって出るのっサ」って。
「( ・_・;) な・何す? ほんで水を汲まなくてもいいのスか?」
「そうなのっサ」
「ばぁ〜〜〜・・・」(実家の皆さんは驚きのあまりに絶句)

祖母は、得意げに水道の便利さを語ったそうな。
ほんの70年くらい前の話ですよ。
そう考えると祖母の人生は、大正〜昭和への「激動の時代」だったことを改めて感じる。

あと10年くらい経つと、蛇口をひねれば水が出るように、テレビのスイッチを入れると映像が流れるように、受話器の向こうから声が聞こえるように、インターネットはもっともっと身近な存在になっているに違いない。

そして、我々の孫世代が「バーちゃんの若い頃は・・・」なんて話をするんだな(しみじみ)。