21. 時差? (1998.12.1)

約束の時間に必ず、早く着く人と、必ず、遅れる人がいるから不思議だ。
かくいう私は、なぜか15分遅れてしまう。面目ない。

ちなみに父も遅れるタイプだが、母は時間に厳しい人で、必ずや口論となる。結婚して30年以上も経つというのに、いまだに時間が早いの遅いのと言い合っているのだから、犬も食わない。

祖母と父と私の3代は、確実に同じ血を受け継いでしまった。
祖母は、「8時に出発」の場合には、8時に準備が始まる。
さすがに「何を考えているんだ」と怒りたくなる。家族は、その時間差を知っているから、祖母にだけ、早めの時間を伝えておく。それでも皆より準備が遅いのだから、どうしようもない。

祖母は、実家に帰る際に船を利用していた。里帰りのたびに、誰かを先にやり、船を待たせておいて、悠々と乗った、と今も語り草になっている。
呼び止める方も呼び止める方だが、それを待っていてくれるのだから、呑気な時代だったのだろう。

父の場合は、東京に出張する際に、必ず、汽車に乗り遅れる。
そして、隣の駅までタクシーを走らせ、どうにか乗り込む。タクシーに追いつかれるくらいだから、汽車の速度も知れたものだが、タクシーを走らせ、無駄な出費をするくらいなら、なぜ汽車に乗れないものか、と思ってしまう。

そうして、その血を確実に受け継いでしまった私は、やはり時間には苦労する。
きっちり時間に合わせて準備をすると、きまって15分遅れてしまう。なぜだろう?
30分も1時間も遅れることはない。
大事な会議には、自分の中の時計を意図的に進めておく。

時間に遅れるとろくなことがない。
15分だけ遅れたがために、マーカス・ミラーと写真がとれなかった苦い思い出がある。
ブルーノート東京の入口を背に、友人達がマーカスと写真におさまっている。
それを見せつけられるたびに、「なぜ、15分早く到着しなかったんだろう〜〜〜(涙)」となる。

なんとか、この悪い癖を克服したいものである。