36. スプリンターズステークス (1998.12.21)

結果が見えたら、つまらない。
明日が見えないから、人生、楽しいのだ。競馬、ああ、それは摩訶不思議な世界。

さて、「スプリンターズステークス」は、「タイキシャトル」の引退試合になる。
この馬は、強い。これまで負けなしで、きている(らしい)。
引退の花道を飾って、もちろん、この馬は、はずせないだろう。

前に、私は3つしか買わない、と言ったが、早くもそれがくずれてしまった。
しぼりきれずに4つ買う。ここは確実にとることにした。

「タイキシャトル」から流して「シーキングザパール」「マサラッキ」「ワシントンカラー」「エイシンバーリン」と4つにする。
スタッフ君も「タイキシャトルは、はずせないよなぁ〜」と言っているし、新聞にも◎と○が踊る。
「とったるでぃ」

武豊の乗る「シーキングザパール」は、おまけで買った。買わないと来るから、とりあえず、買っておいた。
買っても、どうせ、こなくたっていいのだ。今日はなにしろ固いんだから。

そして結果は、
「どうしたんだ、タイキシャトル」「行け〜〜! 行け〜〜〜〜」
「うっそ〜〜(涙)」、ガァ〜〜〜〜ン!

結果は1着が「マイネルラヴ」、2着が「シーキングザパール」。ガックリ。
「タイキシャトル」は最後、伸びない。かわりに武の乗る「シーキングザパール」がグングンと追い上げた。
私の買った馬は、4着までに3頭も入ったのに、1着がとれないんだから、なんだかなぁ〜。

スタッフ君が、「オヤマさん、とりましたよ」と、ガッツポーズを見せなばら出社した。
「え??? だって、あれ万馬券だよ?」
「そっスよ。俺を万馬クンと呼んでいいっス」だと。ふざけるない!
「だって、タイキシャトルは、はずせない、って言ったじゃない〜〜」
「タイキシャトルも買ったけど、あんまりつかないから、これも買っておいたんですよ」
「マ〜ンバ・マンバ・マンバ♪」踊るスタッフ君。

スタッフ君は、あまりの嬉しさに、仕事をする気にもなれないそうだ。
こんな安月給より、味をしめているに違いない。
「オヤマさんって、時々、めちゃくちゃ大穴ねらうのに、今回は、固かったっすね」と言う。
「ギャフンと言わそうと、したんじゃい」と言いたかったが、反対に100倍、返されそうで、ここはひとつ黙ってることにした。

こんなに身近に万馬券が出ると、ちょっと、人生観が変わっちゃうなぁ。
有馬記念は、万馬狙いで、いっちゃう・よぉ〜。