58. 名付け親 (1999.2.9)

スタッフ君が一口馬主に申し込んだ。
馬主は、競馬ファンの夢だそうだ。

「な〜にを夢見てるんだか」と思って聞き流していたら、この手があったとは。
一口数万円(2万とか4万とか)の投資で、馬主になるわけだ。共同馬主。

馬主といえば、先の「フェブラリーステークス」で勝った「メイセイオペラ」の馬主は気仙沼の人だそうで、へぇ〜〜、気仙沼にもそういう方がいるんだなぁと関心する(気仙沼のふみのりさんからの情報)。
「オヤマさん、買ってないの?」と聞かれ、ちょいとショック。
それを知っていれば、絶対に「メイセイオペラ」から流したものをと口惜しい。
私は「タイキシャーロック」と「オースミジェット」、「バトルライン」と「マチカネワラウカド」と2点買いをし、あっけなく散った。
ちなみにスタッフ君は、これをとり、気を良くしている。詳しくはスタッフ君が書いているからご覧いただきたい。

話がそれた。さて、一口馬主には、名付け親の権利があるそうだ。
なかなかいい名が浮かばぬスタッフ君が聞いてきた。
「なんか、いい名前ないっすかね〜〜?」

今回、申し込んだのは、シルク牧場の馬で、「シルク」か「シルキー」をつけるのがきまりだ。
頭についても、お尻についてもかまわない。

私は、即座に「シルクボニート!」と叫んだ。
「ちゃんと意味がないといけないんですよ」と言うから、
「ボニートは、男性に対して美しいという意味がある。美しいシルクの馬だ。どうじゃい。ところで、牡馬?」
「そう、牡馬。ふむ、その名前もいいかな」
「絶対、シルクボニートだ。行け行けシルクボニート! 決定!」と有頂天になる私。
その名前がついたら、絶対に買っちゃうなぁ〜〜〜。応援しちゃうなぁ〜〜。

スタッフ君は、何を血迷ったか、もう一頭の一口馬主になる。
馬の写真入りカタログを真剣にながめながら、どれにするか選ぶのに余年がない。
そばで、私が「行け行け! シルクボニート」とさわぐ。あ〜〜、変な事務所。

「オヤマさん、決めました。これ。もちろん牡!」
二頭目の名前は、すぐには決まらない。
「シルクホース!」
「そんなの誰でも考えつくじゃないすか。だいたい、この一口馬主の会は、シルクホースクラブて名前なんすから」
「あ、そ〜」
「シルクヒーロー」「ゴーゴーシルク」「シルキーラブ」
「オヤマさん、真剣に考えてくださいよ」あ〜でもない、こ〜でもない。

スタッフ君が、もうどうでもいいモードに入ったところで、「シルクヨッチャン」と提案する。
「なんすか? それ?」
「よっちゃんは、うちの甥っこの名前」

考えすぎで、どうでもよくなってしまったスタッフ君は、それを紙に書いた。
書いた文字を見て、スタッフ君に後悔の色が表れる。
「俺の名前をとって、シルクヒロチャンにすればよかった」だって。