8. どこでも眠れる、は特技と言えるか? (1998.11.10)

秋の夜長は、本を読んだり、Jazzを聞いたり、いろいろな過し方がある。
しかし、私の場合、本でも読もうかと横になった途端に眠ってしまう。

以前は、3秒で寝れる、と豪語していたが、最近は1秒半くらいで熟睡モードだ。
なんなんだろ?
寝つきの悪い人は、きっと困っているのだろうが、私にとっては、うらやましいかぎりだ。
眠れなくて朝まで本を読んだ、なんてことを言ってみたい。

先日、東京から仙台まで新幹線に乗った。乗車時間はおおよそ2時間。
禁煙席はいっぱいで、喫煙席に座る。最近では、禁煙席からうまるそうだ。
発車前から、煙が充満し、目がしょぼしょぼする。

何やら騒々しいバンドマンらしき若者6人が、陣取っている。
喉を鍛えているだけに、声が通る。うるさい。
さらに、携帯電話をかけては「チェックインが何時か」だの「次のスケジュール」などをやりとりしているもんだから、うざったいこと、この上ない。

注意しに行くべきかどうか、おおいに悩む。
しかし、注意した結果、こっちがボコボコになる例が多いらしいし、車内には男性もいるし、か弱い私は、そのまま席にじっとしていた。
いやな席に座っちゃったなぁ。
周辺の人の頭がバンドマンを向いて「うるさい」をアピールしているのがわかる。
腕に入れ墨(タトゥ)が見えるし、ビールだけじゃなく、ラリっていたら恐い。

私も前は、バンドマンだった。音楽は、夢を与える職業だ。
それが、うざったがられるような存在では、いいバンドにはなりませんよ、と心の中でつぶやいてみる。

だいたい、最近の若者は、平気で電車で携帯電話をかける...........先日も山手線で............ムニャムニャ、とここで記憶がとだえる。
私は熟睡モードに入り、仙台で隣のおじさんに起こされるまで、すっかり眠ってしまった。
起きてみると、あのうるさい若者達は、まだ大声で会話し、まわりの皆さんが顔をしかめて座っていた。

どこでも眠れることは、特技と言えないが、こんな時は眠れることに感謝する。