9. 西新宿に住んでみて... (1998.11.11)

「西新宿に住んでいる」と言うと、高層ビルのイメージがあるから、なんだかすごいことになるらしいが、現実は違うんだ。
高層ビルは、表の顔。青梅街道を一本入ると、どこにでもある路地裏が広がる。

よそと違うのは、バブルの爪あとだ。
当時の地上げは、映画「マルサの女」のように、すさまじかったに違いないが、そんなにまでして奪い取った土地は、建物が立たないまま、駐車場になった。だから、西新宿は駐車場の町と言ってもいいほどなんだ。

また、老人が多く、過疎化している。私の実家もそうで、何か共通のものを感じる。
こんな大都会と気仙沼を比べること自体がおかしいかい? おんなじだよ。
若者が少なく、ばあちゃんが多い。
もっとも平日は、ビジネスマンが多くて目立たないけどね。

この町が気に入った。
なんと言っても、町が整然としていてわかりやすい。私はとんでもない方向音痴なのだ。
高層ビルの夜景は、いつ見上げてもきらびやかで、田舎もんには、ぐっとくる。
パソコンショップが多い、ってのは、ちょっとオタッキー入っている私には嬉しい。
地元住人は庶民的で、ばあちゃん達は、おしゃれである。
渋谷や池袋のように若者がごちゃごちゃと、たむろっていない。ちょいと、地下道に段ボール族が住んでいるけどね。

西新宿のばあちゃん達には、戦前、戦後、バブルの間も、ここでがんばったというプライドを感じる。
私は、あと何年ここに住むかわからないが、、、ふむ、気がつけば、ここの主になっていいたりして...。