93. 本格派・気仙沼弁---14 (1999.5.22)

前回の宿題は「すっかける」
甥っこのよっちゃんに「(弟の)トモちゃんにすっかげんすなよ」と言うと、
「僕、すっかげでないよ」と口をとんがらかす。

これで、おおよその意味は通じるだろうか?
「すっかける」は、「かまう」とか「ちょっかいを出す」という意味。

何かを真剣にやっていると、ついつい、すっかげだぐなる(ちょっかいを出したくなる)のが心情だ。
愛情の表現でもある。
度がすぎると喧嘩になり、涙...........。

類似語に「しずる」がある。
こちらは、おもに大人が子供をからかう時に使う。
「お父さん、よっちゃんのごど、しずんだおん」(お父さんはよっちゃんの事がかわいくて、からかっている)
これも愛情の表現だ。

「だ〜れ、しずってばり〜」は、「そんなにからかって、やだわ〜」という意味。
「だ〜れ」は前にやったように「誰」ではなく、「Oh!」という感嘆詞。
「しずってばり〜」は、「しずってばかりいる」という意味。
「ばかり」を「ばりー」と言うあたりは、気仙沼らしいビート感がある。

ふ〜、なにげなく使っている会話も、こうやって表記してみると、難しい。
英会話がままならないのもうなずける。
習うより慣れろとは、よく言ったものだ。

つづく...