63. 本格派・気仙沼弁---4 (1999.3.5)

「オヤマさ〜ん、読めないッスよ。なんすか? これ?」
昨日のよた話を読んでのスタッフ君のコメントである。

スタッフ君が読めないと言っているのは、次の文章だ。
「あのっさ、リッコにマックを買ってけだっけっさ、喜んでだのっさ」

スタッフ君は、誤字脱字だと言い張った。
しか〜し、私が読み上げて手本を見せると、「へぇ〜〜」だって。
やっぱり、気仙沼人はバイリンガルだな。スタッフ君は、そんなの日本語じゃないと言ってるけどね。

ここで補足をしたい。
「買ってけだ」の「けだ」は、「あげた」という意味。
「けだ」の「だ」は過去形を表す。
現在形では「ける」なので、「買ってける?」は「買ってくれる?」の意味。

同様の言い方で、「言ってける」がある。
「ガツンと言っちゃうよ」を気仙沼弁でCMにすると、「ガツンと言ってけっから」となるわけだよ、クリントン君。

さて、前々回、気仙沼弁では、語尾に「っさ」がつくと書いたが、他に「ちゃ」がつくこともある。
「ちゃ」は、使いわけが2つある。
まずは、疑問文でありながら、同意を求める場合。
「行ったっちゃ?」
「ちゃ」をやさしく、上げ気味に言う。すると「行ったでしょ〜?」の意味になる。
「MacExpoに行ったっちゃ?」は、「MacExpoに行ったんでしょ?」となる。

「ちゃ」を強い調子で、語尾は下げて「行ったっちゃ」と読んでみよう!
そうすることで、念を押す言葉となり、「行っただろ〜!」の意味になる。
この前に「だ〜れ」を付けると、より強調される。

「だ〜れ」は、英語で「Oh my God!」と訳される(ホントかい?)
発音が難しく、「だ」に力を入れながら、「れ」を上げて読むことが大事だ。「誰」とは全く別ものなので、注意する。
「だ〜〜れ、行ったっちゃ」これは半分、怒りが含まれ、「行ったことを忘れたのか?」という感情が込められる。

「だ〜〜れ、買ってけるって言ったっちゃ〜」(買ってくれるって言ったのにぃ〜〜)
(Oh my God! You said that you will buy Diamond for me.)
これを言われたら、喧嘩を売っているととらえても、間違いないだろう。
夫婦の間で、そして恋人同志で、亀裂が入らぬうちに覚えておくのが身のためですな。

さて、宿題の「はだでで、いがなくてもいっちゃ?」だが、
「いがなくてもいっちゃ?」は、
「行かなくてもいいでしょう?」と、疑問文でありながら、同意を求めていることになる。

さて、「はだでで」だが、今日も時間だおんね(Time is over.)。
次のレッスンでやっぺ。ほんでね〜〜(See you next lesson. Bye-bye.)

つづき...